7/31セミナー 高分子複合材料の最近の傾向と、実用機でのフィラー分散最適化の考え方と方法(ST130731)
高分子複合材料の最近の傾向と、
実用機でのフィラー分散最適化の考え方と方法
PDFパンフレット(セミナー「高分子複合材料の最近の傾向と、実用機でのフィラー分散最適化の考え方と方法」)
高分子の複合材料の進歩は、機械強度を得ることから始まった。無機Filler添加では衝撃強度などが、Elastomer添加では曲げ剛性などが達成できなかった。そこで、3元樹脂化の時代を経て、現在はNano分散で求める機械強度がある程度実現できるようになった。Polymer Alloyでは、非相溶性構造をSpinodal分解、Binodal分解の詳解から複合材料の構造制御に展開し、さらにはNano構造化から、材料特性の進展を実現している。
一方最近は、高分子複合材料として、電気伝導性、熱伝導性、収縮性、ガスバリヤ性などの特殊物性を求める応用分野が多くなり、Compound, Polymer Alloyとの関連で大きく技術進歩をしている。その背景では、従来の混練技術の応用、あるいは従来技術から見えてくるものが沢山存在する。どのように練ったらよいかという疑問が常について回る。しかし特殊物性発現技術は、まさに現在が発展段階にある技術分野であり、定説があるわけではない。講演者は過去の技術を中心に関連をお話しするが、聞いていただく方々には回答を得るためではなく、少しでも袋小路にある思考から逃れる糸口を探す意味合いで、私の話を聞いていただきたい。本講演がそのきっかけになることを願う。
日時・場所
日時:2013年7月31日(水) 10:30~16:30
会場: 連合会館 5階 502(東京都千代田区神田駿河台3-2-11)
→会場へのアクセス
受講料
46,200円(税込) STbook会員価格 43,890円(税込) *資料・昼食代を含む
講師
橋爪 慎治 氏
(有)エスティア 代表取締役
工学博士 元(株)神戸製鋼所
<講師プロフィール>
プログラム詳細
1. Compound 複合化の基礎
○ 無機Fillerのみを分散する一般物性
○ Elastmerのみを分散する一般物性
○ 三元樹脂Compoundとその一般物性
○ 無機粒子小粒子分散特性(submicron, Nano)
凝集現象とその実態
○ Bound Polymer(Rubber)発生と高強度化のメカニズム
○ Nano分散による高強度材料の実現
三元樹脂に代わる最新技術
○ Polymer Alloy 小粒子分散特性(submicron, Nano)
○ Nano分散による高強度材料の実現(粒子間応力干渉からの解明)
○ 分散品質の数値化と同一品質操作領域
○ 各種分散装置の実現対応領域
2. 特殊物性実現の分散方法
○ 均一粒子径、均一分散を特徴とする分散形態と応用分野
○ 不均一性を均一に分散する分散形態とその応用分野
○ 直交分散形態
○ 応用部品成形との関連性
3. 各論1 Compound
3.1 Non-halogen難燃性PP(RoHS対策)
3.2 複屈折ゼロ樹脂Compound(テレビ業界の救世主技術)
3.3 高熱伝導Compound
絶縁製品への応用、ALN, BNなど
樹脂開発との共存の必要性
導電製品への応用、Graphiteなど
3.4 樹脂軽量化に対応できるFillerの開発
3.5 各種繊維補強材料
CNT(SWCNT, MWCNT)
CNF(Carbon Nano Fiber)
BNF(CNF=Cellulose Nano Fiber)
3.6 ガスバリヤ
無機材料蒸着からNano Filler層形成技術まで
有機EL封止特性までが実現できている
自己修復技術および樹脂の応用
3.7 熱収縮ゼロ樹脂
ZrW2O8(~-9ppm/℃)の第1世代
Mn3XN(~-40ppm/℃)の第2世代
BiaLabNiO3(~-82ppm/℃)の第3世代
3.8 その他
4. 各論2 Polymer Alloy
4.1 Spinodal分解とBinodal分解特性
4.2 Living 重合
4.3 非弾性アロイ(NOVA)
4.4 3成分相互複合系Alloy
4.5 Nano double gyroid
4.6 その他
5. 均一分散手法の一例:Slurry分散技術
6. Extruder, Mixerの応用に関する考え方
7. 質疑応答