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材料・測定・分析・合成
( Z233 )

紙の構造と物性その基本 ~Q&A集付~

紙の構造と物性その基本 ~Q&A集付~

発刊日
2018年02月09日
体裁
B5判 並製本 81頁
ISBN
978-4-905507-24-6
Cコード
価格(税込)
33,000
( STbook会員価格(税込)STbook会員価格
33,000 円)

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発 行 : (株)R&D支援センター

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冊数:

著者リスト


京都大学 農学研究科 森林科学専攻 紙材料科学研究室 研究員 農学博士 山内 龍男 氏


趣旨


紙の構造と物性と題したセミナーはここ数年、相当回数実施し、それらに多くの企業人が参加されている。なんらかの形で紙材料に関与される企業の方が聴講においでになるのだが、紙の補助原料メーカーから文具、包装、印刷、紙搬送等実に幅広い業種にわたっている。どの方も、紙を専門としないが、紙や製紙についての基礎知識を得たいと考えておられる。現在我々の周囲に身近にある材料は、鉄やアルミ等の金属類、ガラスを主とする無機材料、紙およびプラスチック材料であり、その中で紙は鉄などの金属よりは新しいが、プラスチックよりは格段に古い、約二千年の歴史のある材料である。ただ蒸気機関に始まるエネルギー革命に追随する形で、近代的な製紙産業になったのは約150年前であり、期を同じくして、地球温暖化が始まったとも言える。すなわちエネルギー革命および地球温暖化は石炭、石油、天然ガス等の地球に埋没した炭素資源を利用するために生じたのであるが、今後地球温暖化を止めるあるいは遅らせるためには、地球上で循環している炭素資源である木材を上手く利用することが肝要になる。近代製紙産業が始まる前は非木材の植物から繊維を取り出して紙を製造したのであるが、今は木材から紙が作られ、日本における木材需要の約半分は紙である。そのため、紙は地球に優しい材料として見直され、今後もなんらかの形で利用され、あるいはむしろその利用が増大する可能性もある。紙は、かつて情報媒体としての利用が大半であったが、通販の利用が増えたこともあり、最近は包装用途が最も大きい。さらに紙の多孔性を利用した用途の拡大も考えられる。ここでは紙の主原料であるパルプを含め、紙材料の基礎を幅広く説明するが、とくに我々人間が長年紙を利用するのは、その物性に由来するのであり、さらに紙においてはその構造が物性と不可分なので、紙の構造と物性、その基本と題した次第である。
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目次


1.はじめに
1.1 紙の歴史と変遷
1.2 紙パルプ産業の特徴、現状と展望

2.紙の原料
2.1 紙の原料になる木材
2.2 木材を構成する化学成分

3.パルプとその漂白
3.1 機械パルプ
3.2 化学パルプ
3.3 リサイクルパルプ
3.4 漂白

4.抄紙
4.1 紙層形成過程の観察
4.2 紙料調成
4.2.1 叩解
4.2.2 調成時に添加する物
4.3 紙加工

5.紙の構造
5.1 紙構造の3次元観察
5.2 顔料塗工紙の観察
5.3 紙の構造を表す基礎的数値(坪量、厚さ、密度)
5.4 紙構造の不均一性
5.5 紙の厚さとその測定法
5.6 紙表面構造(粗さ)とその測定法
5.7 紙の空隙構造とその測定法

6.紙の物性
6.1 光学的性質
6.2 紙面方向での力学的性質
6.3 常用力学試験
6.4 単繊維強度
6.5 水分(相対湿度)の影響
6.6 厚さ方向の力学挙動
6.6.1 圧縮性
6.6.2 厚さ方向の強度
6.6.3 剥離試験
6.7 その他紙の使用において重要な物性
6.7.1 紙のこし(こわさ)
6.7.2 紙の摩擦

7.後書き

付録:Q&A集