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( Z286 )

基礎から学ぶ磁性材料~上手に利用するための基礎理論から測定法・応用の実際まで~

基礎から学ぶ磁性材料~上手に利用するための基礎理論から測定法・応用の実際まで~

発刊日
2020年03月27日
体裁
B5判 並製本 294頁
ISBN
978-4-905507-43-7
Cコード
価格(税込)
66,000
( STbook会員価格(税込)STbook会員価格
66,000 円)

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発 行 : (株)R&D支援センター

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冊数:

著者リスト


監修
佐藤 勝昭 科学技術振興機構(JST) 研究開発戦略センター(CRDS)特任フェロー 東京農工大学リサーチアドバイザー
著者
佐藤 勝昭 科学技術振興機構
福永 博俊 長崎大学
遠藤 恭  東北大学
三谷 誠司 物質・材料研究機構
加藤 剛志 名古屋大学
雨宮 健太 高エネルギー加速器研究機構
齊藤 準  秋田大学
石橋 隆幸 長岡技術科学大学
谷垣 俊明 (株)日立製作所
菅原 昭  (株)日立製作所
品田 博之 (株)日立製作所
孝橋 照生 (株)日立製作所
竹澤 昌晃 九州工業大学
藤﨑 敬介 豊田工業大学
直江 正幸 電磁材料研究所
今岡 淳  名古屋大学
水野 勉  信州大学
笠置 映寛 山口東京理科大学
赤城 文子 工学院大学

趣旨


発刊にあたって
 本書「基礎から学ぶ磁性材料」は、セミナー・講習会などの参加者から要望の多い磁性材料に関して、磁性の基礎知識に立ち返って、磁性材料の作製技術、材料評価技術、実際の応用事例までを広くカバーする目的で刊行するものである。
 磁性材料は、大きく分けて軟(ソフト)磁性材料、硬(ハード)磁性材料、半硬質磁性材料に分類される。
 磁化曲線の立ち上がりが急峻で、ヒステリシスの幅(保磁力)の小さな磁性材料は、軟磁性材料と呼ばれる。軟磁性材料はモータの巻き線による磁界を増強する磁心や、変圧器の磁心、無線給電装置などに使われている。5G 通信時代、IoT時代を迎え、市場規模は小さいが、高周波インダクタや遮蔽材料への需要が増大している。ある調査によれば、2018年の軟磁性材料の市場規模は473億USDで、2026年には872億USDに伸びると予想されている。
 一方、磁気ヒステリシス曲線が囲む面積が大きい材料を硬磁性材料と呼び、永久磁石として用いられる。永久磁石はモータの主要部品で、自動車の電動化の進行とともに年率8.8%で伸びていて、2021年には226億USDに達すると見込まれている。
 また、半硬質磁性材料は、磁気記録の記録媒体として使われるが、記録密度の向上のために硬質磁性材料を用い、熱アシストやマイクロ波アシストによる記録が模索されている。読み出し磁気ヘッドにはトンネル磁気接合というスピントロニクス材料が使われる。さらに将来のユニバーサルメモリとしてスピントロニクス材料を用いた磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)が開発されている。
 本書は、第1章「磁性材料を正しく理解するために」、第2章「各種磁性材料の特性 ・開発動向と市場」、第3章「計測・ 測定法」、第4章「利用・応用事例」から構成される。
 第1章では編纂者である筆者が、第2章以降に記述される磁性材料の基礎知識を述べる。第2章以降は、各分野の第1線の研究者に分担執筆していただく。第2章では、硬磁性材料、軟磁性材料、スピントロニクス材料についての開発動向を述べる。第3章では、磁性材料開発において重要な計測技術について述べる。磁力計・磁気共鳴装置など基礎的な計測法に始まり、磁気光学顕微鏡、プローブ顕微鏡、電子顕微鏡による計測とイメージング、さらには放射光を用いた最先端の計測評価技術も紹介する。第4章では、具体的な利用に必要な技術を詳しく述べる。モータ駆動、パワーコンバータ、ワイヤレス給電などのパワー応用、高周波インダクタ、電波吸収・遮蔽などの高周波応用、磁気記録への応用など広範な応用事例を扱う。

本書が、磁性材料の技術開発に携わる各方面の研究者・技術者の指針になることを願っている。
(はじめにより)


目次


はじめに

第1章「磁性材料を正しく理解するために」
1.はじめに
2.磁性のミクロな起源
3.磁気秩序の起源―強磁性・反強磁性などはなぜ生じるか―
4.強磁性体のマクロな磁性―磁気ヒステリシス・磁区・磁化曲線

第2章「各種磁性材料の特性・開発動向と市場」
第1節 硬磁性体の特性と今後の展望~基礎物性から高性能硬質磁性材料の特性まで
1.硬磁性体の評価と物性
1.1 硬磁性体の評価
1.1.1 有効磁界
1.1.2 2種類の保磁力と残留磁気分極
1.1.3 最大エネルギー積
1.2 技術磁化過程
1.2.1 磁壁移動による磁化過程
1.2.2 磁化回転による磁化過程
2.硬磁性体各論
2.1 フェライト磁石材料
2.1.1 結晶構造
2.1.2 飽和磁気分極と磁気異方性
2.1.3 キュリー温度
2.1.4 フェライト磁石の磁気特性
2.2 希土類磁石材料
2.2.1 希土類磁石材料の特徴
2.2.2 Sm-Co系磁石
2.2.3 Nd-Fe-B系磁石
2.2.4 Sm-Fe-N系磁石
2.3 次世代磁石材料
2.3.1 重希土類フリーNd-Fe-B磁石の高保磁力化
2.3.2 新希土類合金
2.3.3 高磁気異方性を有する3d遷移金属合金
2.4 ナノコンポジット磁石材料
第2節 軟磁性材料の特性
1 軟磁性材料
1.1 軟磁性材料の静的および動的磁気特性
1.1.1 磁化反転過程と磁気異方性
1.1.2 薄膜形状の軟磁性材料における透磁率の周波数特性
第3節 スピントロニクス材料の特性と今後の展望
1.はじめに
2.スピントロニクスの機能と応用
2.1 巨大磁気抵抗効果
2.1.1 膜面内電流巨大磁気抵抗効果
2.1.2 膜面直電流巨大磁気抵抗効果
2.1.3 その他
2.2 トンネル磁気抵抗効果
2.2.1 アモルファスバリアを用いたトンネル接合
2.2.2 結晶バリアを用いたトンネル接合
2.3 スピン注入磁化反転とマイクロ波発振
2.3.1 スピン注入磁化反転
2.3.2 マイクロ波発振
2.4 スピン軌道トルク
2.5 磁性半導体素子、その他
3.スピントロニクス材料
3.1 巨大磁気抵抗効果材料
3.2 高スピン分極材料
3.3 トンネルバリア材料
3.4 層間交換磁気結合材料
3.5 低磁気ダンピング材料
3.6 スピン軌道トルク材料
3.7 反強磁性材料
3.8 その他
4.今後の展望

第3章「計測・測定法」
第1節 磁気の計測
1.磁気の計測
1.1 磁界の発生と計測
1.1.1 磁界の発生
1.1.2 磁場の計測
1.2 磁化の測定
1.2.1 磁性体に働く力による測定
1.2.2 磁性体から生じる磁界による測定
1.2.3 電磁誘導を利用した測定
1.3 磁気異方性の測定
1.3.1 磁化曲線による測定
1.3.2 磁性体に働くトルクによる測定
1.3.3 磁気共鳴を利用した測定
第2節 X線分光による磁性材料の分析
1.X線磁気円二色性を用いた元素選択的な磁気モーメント観察
1.1 X線磁気円二色性の特長
1.2 測定方法
1.2.1 X線のエネルギーの選択
1.2.2 透過法による測定
1.2.3 電子収量法による測定
1.2.4 蛍光収量法による測定
1.2.5 その他の測定法
1.3 磁気モーメントの見積もり
1.3.1 磁気総和則
1.3.2 実際の解析
2.磁気モーメントの空間分布の観察
2.1 微小ビームの利用
2.2 結像系の利用
2.3 深さ分解X線磁気円二色性
3.X線磁気線二色性分光を用いた反強磁性体の観察
3.1 X線磁気線二色性
第3節 磁気力顕微鏡を用いた磁気イメージング技術
1.磁気力顕微鏡の基礎
2.交番磁気力顕微鏡による顕微鏡性能の向上
3.磁性材料・磁気デバイスの観察例
4.おわりに
第4節 磁気光学効果を利用した計測技術
1.はじめに
2.磁気光学効果
3.磁気光学効果の測定原理
3.1 回転偏光子法
3.2 差動法
3.3 ファラデーセル法
3.4 円偏光変調法
3.5 楕円率の測定法
4.磁気光学スペクトル測定法
4.1 分光器を用いた方法
4.2 マルチチャンネル分光器を用いた方法
5.磁気光学イメージング
5.1 磁気光学イメージングの原理
6.磁気転写を用いた磁気光学イメージング
第5節 電子顕微鏡を用いた局所領域の磁性評価
1.電子顕微鏡による磁性評価
2.透過型電子顕微鏡
2.1 磁性材料内での電子線の位相変化
2.2 ローレンツ電子顕微鏡
2.2.1 フレネル・ローレンツ法と強度輸送方程式解析
2.2.2 フーコー・ローレンツ法
2.3 電子線ホログラフィー
2.4 微分位相コントラスト法
2.5 その他の手法
2.5.1 電子線タイコグラフィー
2.5.2 電子磁気円二色性
3.走査型電子顕微鏡
3.1 走査電子顕微鏡Type-I 磁気コントラスト
3.2 走査電子顕微鏡Type-II 磁気コントラスト
3.3 スピン偏極走査電子顕微鏡(Type-III 磁気コントラスト)
4.投影型電子顕微鏡
4.1 スピン偏極低エネルギー電子顕微鏡
4.2 光電子顕微鏡
第6節 Kerr効果顕微鏡を用いた高分解能磁区観察
1.磁性体の磁区と磁気イメージング技術
2.磁区観察手法と観察の空間分解能
3.Kerr効果顕微鏡を用いた磁区観察
3.1 Kerr効果による磁区観察の原理と特徴
3.2 Kerr効果顕微鏡の高分解能磁区観察の取り組み

第4章「利用・応用事例」
第1節 モータ駆動システムのための磁性材料活用技術
1.モータ駆動システムにおける磁性材料
2.モータにおける磁性材料
2.1 軟磁性材料
2.2 硬磁性材料(永久磁石)
3.パワーエレクトロニクスにおける磁性材料
第2節 磁性材料の高周波インダクタへの応用
1.高周波インダクタの現状
2.インダクタの種類
2.1 積層インダクタ
2.2 平面インダクタ(プレーナインダクタ)
2.2.1 伝送線路デバイス
2.3 磁性材料を高周波インダクタにも用いるには
2.3.1 インダクタのインピーダンスと磁性体の透磁率との関係
2.3.2 R ACは磁性体のμ ”由来だけではない(表皮効果・近接効果)
2.3.3 磁性材料を高周波インダクタに用いる際の課題
3.磁性材料の高周波インダクタへの応用でおさえておきたい特性
3.1 透磁率の高い共鳴周波数と高い絶対値との両立
3.2 低い渦電流損失(高い比抵抗)
3.2.1 磁性膜の比抵抗と膜厚との関係
3.2.2 磁性膜のマイクロパターン化
3.2.3 多層膜
3.2.4 磁性材料自体の高抵抗化
3.3 異方性分散の低減
3.4 磁歪(磁気ひずみ)
3.5 反磁界(形状異方性)
3.6 等方性
3.6.1 面直一軸異方性膜の膜面内等方困難面の利用
3.6.2 面内一軸異方性膜の45度方向励磁
3.6.3 面内一軸異方性膜を用いた異方性直交膜
4.実用材料
4.1 フェライト材料
4.1.1 バルク材料
4.1.2 薄膜
4.2 アモルファス磁性合金薄膜
4.2.1 アモルファス磁性合金
4.2.2 ナノ結晶磁性体
4.3 金属磁性微粒子複合材料による厚膜・薄膜
4.3.1 樹脂混練材料
4.3.2 ナノグラニュラー磁性膜
5.おわりに
第3節 磁性材料、応用磁気設計、回路技術の複合化によるパワーコンバータの高性能化
1.はじめに
2.車載用電力変換システムの動向と基本構成
3.小型軽量化/大容量化を目指した結合インダクタと圧粉コアの適用
3.1 マルチフェーズコンバータ(回路応用)と結合インダクタ(応用磁気設計)の基本
3.2 磁性材料(圧粉コア)
3.3 結合インダクタへの圧粉コアの適用
4.おわりに
第4節 ワイヤレス給電の伝送効率向上に向けた磁性材料の適用
1.まえがき
2.伝送周波数13.56MHzのワイヤレス給電?
2.1 コイルの構造
2.2 塗布材料の磁気特性
2.3 磁束経路制御技術MPC
3.インピーダンス特性
4.電力伝送特性
4.1 コイル間の伝送効率の算出方法
4.2 結合係数の算出方法
4.3 電力伝送特性
4.4 発熱特性
5.あとがき
第5節 電波吸収体、電磁遮蔽材料への応用を目的とした磁性粒子分散複合材料の開発
1.はじめに
2.磁性粒子分散複合材料の高周波透磁率
2.1 透磁率の周波数分散
2.2 透磁率の周波数分散機構と分散式
2.3 磁性粒子分散複合材料の透磁率スペクトル
3.異方的形状金属磁性粒子を含む複合材料の高周波透磁率
4.金属粒子分散複合材料による電磁メタマテリアル
5.おわりに
第6節 磁性材料の磁気ディスク装置への応用
1.はじめに
2.磁気記録装置の概要
3.磁気ヘッド材料
4.再生ヘッド材料
5.磁気記録媒体材料
6.テラビット級の高記録密度HDDに向けて

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