書籍番号:
A131

困らない! マイクロ波サイエンスとエンジニアリング -加熱・乾燥・化学・材料のノウハウ集-

「熟練技術者」「熟練研究者」が詳説

  • NEW
価格: 65,000円+税 (税込:71,500円)
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発刊日:2018年07月03日
体裁:A4判 並製本 329頁
発行:S&T出版(株)
ISBN:978-4-907002-72-5
Cコード:3058
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PDFパンフレット(困らない!マイクロ波サイエンスとエンジニアリング 書籍「A131」)

著者リスト


<監修>
堀越智 / 上智大学

<著者>
霜田光一 / 東京大学名誉教授
餘家清 / 旧海軍電探(レーダー)開発史研究家
佐藤元泰 / 中部大学
吉川昇 / 東北大学
藤田明希 / (株)科学技術研究所
福島英沖 / (株)豊田中央研究所
堀越智 / 上智大学
村中恒男 / 元芝浦メカトロニクス
近田司 / 山梨大学
原田明一 / ミクロ電子(株)
竹内和彦 / 産業技術総合研究所
長畑律子 / 産業技術総合研究所

趣旨


先輩たちが開拓したマイクロ波に関する貴重な内容は経験談に留まるため、入手することはより困難になっています。そこで、本書は、マイクロ波の歴史、マイクロ波サイエンス、マイクロ波エンジニアリングの三章で構成し、最高齢98歳の筆者を筆頭に、平均年齢68歳の経験豊かな「熟練研究者」や「熟練技術者」が、マイクロ波加熱の利用できる用途・対象物、マイクロ波加熱固有の効果を得るためのエッセンスと具体的対応法、さらに陥りやすい間違いや欠点までを、広範囲に執筆していただきました。新たにマイクロ波加熱に取り組む方、実践中の方、期待した効果が得られない方に、その原因と対策を知る手がかりとなる、いわゆる「know-how」が詰め込まれた教科書・指南書を目指しました。その内容は様々な分野の読者が、マイクロ波エネルギーの魅力を感じ、創造的に学びやすいように、図、文章、事例を基礎構成として解説しています。各章は、後輩たちへのメッセージも含め、マイクロ波加熱・乾燥・化学・材料において、年を経ても色褪せない内容になっています。本書を繰り返して読み込んでいただければ、この分野の歴史を感じ、技術の参考にできると共に、きっと新しいアイディアが浮かび上がることでしょう。
(堀越 智/はじめに より抜粋一部変更)

目次


1 マイクロ波加熱の歴史
1-1 マイクロ波とは
1-2 電磁波の産業応用とその発達
1-2-1 電磁波加熱の歴史
1-2-2 マイクロ波技術の初期開発
1-2-3 クライストロンおよび大出力マグネトロンの開発史
1-2-3-1 クライストロン開発
1-2-3-2 大出力マグネトロン開発
1-2-4 戦後の高周波・マイクロ波産業応用
1-2-4-1 マイクロ波領域の開拓
1-2-4-2 資料で読み解く発展の歴史
1-2-5 最後に

2 マイクロ波サイエンス
2-1 新学術領域としてのマイクロ波サイエンス
2-2 物質はなぜマイクロ波で加熱するのか?(種類・液体/固体)
2-2-1 「熱」とは
2-2-2 マイクロ波と原子/ 分子の振動数の違い
2-2-3 マイクロ波という電磁波と物質との相互作用
2-2-4 マイクロ波電場がおよぼす加熱メカニズム
2-2-5 電磁波と物質の関係
2-2-6 無機固体におけるマイクロ波加熱
2-2-7 マイクロ波磁場加熱のメカニズム
2-2-8 マイクロ波周波数の振動が熱に変わるメカニズム
2-3 電磁場シミュレーションの利用注意点
2-3-1 電磁場シミュレーションとは
2-3-2 FDTD法およびFEMに使われる方程式およびその特徴
2-3-3 解析における注意点
2-3-4 注意点と利用
2-3-5 FAQ(よく相談を受ける内容)とその解決
2-4 誘電率透磁率の測定法と注意点
2-4-1 はじめに
2-4-2 測定方法
2-4-3 測定結果
2-4-3-1 固体の複素誘電率
2-4-3-2 粉末の複素誘電率、透磁率
2-4-3-3 半導体(薄膜、基板)の複素誘電率
2-4-3-4 液体の複素誘電率
2-4-3-5 浸透深さと表皮深さ
2-4-4 データベースの重要性
2-4-5 まとめ
2-5 マイクロ波加熱の特徴と注意点-液体試料編
2-5-1 液体におけるマイクロ波加熱
2-5-2 利点
2-5-2-1 迅速加熱
2-5-2-2 加熱制御
2-5-2-3 選択加熱
2-5-2-4 省エネルギーと環境低負荷
2-5-3 マイクロ波加熱の問題点
2-5-3-1 放電現象
2-5-3-2 浸透深さ
2-5-3-3 不均一加熱
2-5-3-4 過熱(スーパーヒーティング)
2-5-3-5 不純物の影響
2-5-3-6 温度測定
2-5-3-7 電波漏えい
2-5-4 電磁波ならではの液体試料加熱
2-5-4-1 周波数効果
2-6 マイクロ波加熱の特徴と注意点-固体試料編
2-6-1 マイクロ波加熱に及ぼす影響は何か?
2-6-1-1 はじめに
2-6-1-2 固体のマイクロ波加熱性
2-6-1-3 非磁性金属粉末の磁気加熱
2-6-1-4 電界、磁界におけるSiC粉末のマイクロ波加熱
2-6-1-5 半導体材料の選択加熱
2-6-1-6 まとめ
2-6-2 セラミックスの加熱法とその注意点
2-6-2-1 陶磁器用バッチ式焼成炉と焼成実績
2-6-2-1-1 多層ブランケット均熱構造体と材料の選択例
2-6-2-1-2 試験炉の構成
2-6-2-1-3 焼成物と壁の温度の関係
2-6-2-1-4 実製品を用いた陶磁器焼結試験
2-6-2-1-5 まとめ
2-6-3 金属の加熱法とその注意点
2-6-3-1 はじめに
2-6-3-2 アプリケーターの種類と金属の加熱
2-6-3-3 金属粉体の加熱
2-6-3-4 金属薄膜の加熱
2-6-3-5 マイクロ波金属加熱の最適サイズ
2-6-3-6 燃焼合成
2-6-4 炭素材料のマイクロ波加熱とその注意点
2-6-4-1 はじめに
2-6-4-2 SiCのマイクロ波加熱
2-6-4-2-1 マイクロ波を利用したセラミックス多孔体の超高速加熱
2-6-4-2-2 SiC粉末/繊維の複素誘電率とマイクロ波加熱性の関係
2-6-4-3 カーボンのマイクロ波加熱
2-6-4-3-1 CFRP繊維のマイクロ波加熱機構
2-6-4-3-2 マイクロ波による微量カーボン粉末の検出
2-6-4-3-3 マイクロ波による炭素の高速加熱
2-6-4-4 まとめ
2-6-5 不純物が与える影響
2-6-5-1 はじめに
2-6-5-2 金属における合金元素と半導体におけるドーパント
2-6-5-3 セラミック材料における粒界層
2-6-6 固体試料・固体複合試料におけるマイクロ波加熱の注意点
2-6-6-1 マクロ的な温度分布と熱応力
2-6-6-2 ホットスポットと熱暴走
2-6-6-3 複合固体について
2-6-6-4 複合体のマイクロ波加熱における特殊現象

3 マイクロ波エンジニアリング
3-1 経験から学ぶマイクロ波エンジニアリング
3-2 マイクロ波発振器
3-2-1 マグネトロン式発振器
3-2-2 半導体式発振器
3-2-3 マグネトロン式および半導体式発振器の長所・短所の比較
3-3 導波管
3-3-1 導波管の種類と特徴
3-3-2 導波管と電磁場分布
3-3-3 その外の導波管
3-3-4 導波管内部の電場の励振方法
3-3-5 同軸線路
3-3-6 導波管類利用上の注意事項
3-4 アイソレーター
3-5 ダミーロード
3-6 パワーモニター
3-7 整合器(チューナー)
3-8 マイクロ波切り替え器
3-9 真空窓(気密保持機構)
3-10 照射部(アプリケーター)
3-10-1 はじめに
3-10-2 試料へのマイクロ波電力の結合
3-10-3 マルチモードアプリケーター
3-10-3-1 設計
3-10-3-2 電波漏洩防止器具
3-10-3-3 被加熱物搬送方法
3-10-4 シングルモードアプリケーター
3-10-4-1 設計
3-10-4-2 最大電場強度の生成方法
3-10-4-3 誘電体製パイプの組み込み
3-10-4-4 プラズマ用アプリケーター
3-10-4-5 短絡位置の調整方法
3-10-5 円形導波管式アプリケーター
3-10-6 特殊なマイクロ波加熱用アプリケーター
3-10-6-1 スロットアンテナ導波管給電
3-10-6-2 スロット導波管式アプリケーター
3-10-6-3 加圧式/減圧式アプリケーター
3-10-6-4 解凍処理過熱部の真空冷却(水の昇華熱の利用)
3-10-6-5 通常熱源/マイクロ波併用加熱装置
3-10-6-6 プレス装置内蔵式アプリケーター
3-10-6-7 局所加熱アプリケーター
3-10-6-8 アートボックス
3-10-6-9 油脂材溶融用アプリケーター
3-10-6-10 ガラスクロス中の金属検出装置
3-10-7 アプリケーターに使用する材料
3-10-7-1 構造部材
3-10-7-2 O-リング・パッキン類
3-10-7-3 金属の利用
3-10-8 節末解説付録
3-11 反応容器
3-11-1 化学反応容器の設計と注意点
3-11-1-1 マイクロ波化学と反応容器
3-11-1-2 反応容器
3-11-1-3 耐圧反応容器
3-11-2 トラブル回避法と坩堝(るつぼ)の選定
3-11-2-1 マイクロ波トラブルの基礎的教訓
3-11-2-2 坩堝の選定
3-11-2-3 坩堝と効率的マイクロ波エネルギー利用
3-11-3 断熱材のトラブル事例と問題点
3-11-3-1 なぜ問題が生じるのか?
3-11-3-2 断熱材の選定と性能評価
3-11-3-3 マイクロ波吸収量の実測法
3-12 最適照射法
3-12-1 マイクロ波の最良な照射方法
3-12-2 工学的視点におけるマッチング
3-12-2-1 発振器内部のマッチング
3-12-2-2 アプリケーター導入へのマッチング
3-12-2-3 アプリケーター内部へのマッチング
3-13 加熱と温度
3-13-1 マイクロ波の加熱効率と熱損失
3-13-1-1 はじめに
3-13-1-2 ガラス加熱と熱損失計算
3-13-1-3 加熱室(キャビティ)および加熱制御方法
3-13-1-4 シングルモードとマルチモードの比較
3-13-1-5 炭素粉末の急速、高温加熱の可能性
3-13-1-6 マイクロ波改質による水素製造
3-13-1-7 セルロース系バイオマスのマイクロ波糖化処理
3-13-1-8 まとめ
3-13-2 固体材料の高温加熱と温度測定法
3-13-2-1 はじめに
3-13-2-2 マイクロ波加熱の特徴と課題
3-13-2-3 機能性セラミックスの焼結
3-13-2-4 セラミックスの接合
3-13-2-5 電子レンジ内の温度分布、電界分布
3-13-2-6 マイクロ波加熱における温度測定
3-13-2-7 まとめ
3-14 マイクロ波化学
3-14-1 安全・効率的な液相系マイクロ波反応を行うための装置
3-14-1-1 マイクロ波加熱と化学反応装置
3-14-1-2 マイクロ波化学の利点
3-14-1-3 マイクロ波化学反応装置
3-14-1-4 マイクロ波液相反応装置の使用上の留意点
3-14-1-5 電子レンジ改造型液相反応装置
3-14-1-6 温度の計測方法
3-14-1-7 効率的な撹拌の方法および注意点
3-14-1-8 加圧反応および減圧反応
3-14-1-9 加熱されにくい液体や少量試料のマイクロ波加熱法
3-14-1-10 再現性向上
3-14-1-11 安全に対する注意点
3-14-2 スケールアップ、ナンバリングアップ、流通法の特徴
3-14-2-1 液相反応系のスケールアップ
3-14-2-2 液相反応系のナンバリングアップ
3-14-2-3 液相反応系の流通式反応装置(フロー型反応装置)
3-14-2-4 工業生産レベルのマイクロ波反応装置の設計と実例
3-14-3 液体被加熱物で発生する事故
3-14-3-1 突沸
3-14-3-2 密閉容器
3-14-4 事故に対する容器および治工具の材料選択
3-14-5 その他の注意事項
3-14-6 まとめ
3-15 マイクロ波材料プロセス
3-15-1 スケールアップ、ナンバリングアップ、連続法の特徴
3-15-1-1 工業用セラミックス(高純度アルミナ)の焼成炉
3-15-1-2 マイクロ波連続焼成炉 (Roller Hearth)
3-15-1-3 粉体や液体のマイクロ波加熱処理
3-15-2 固体被加熱物で発生する事故
3-15-2-1 プラズマ放電の移動
3-15-2-2 プラズマ放電の発生機構
3-15-2-3 プラズマ放電の検知方法と消滅方法
3-16 電波法
3-16-1 電波法におけるマイクロ波
3-16-2 安全上の許容漏洩量
3-16-3 電波妨害の許容値
3-16-4 ISM周波数
3-16-5 設備設置許可申請

付録1 誘電因子
付録2 既存の有機溶媒のtanδに対する温度依存性(20℃、50℃、80℃で測定)
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