第1章 CFRP/CFRTP成形法
第1節 VaRTM成形によるCFRTP
はじめに
1. 従来のCFRTPの成形法と現場重合VaRTM法
2. VaRTM成形法
2.1 マトリックス
2.2 強化材
2.3 成形方法
3. CFRTPの特性評価
3.1 走査型電子顕微鏡(SEM)観察
3.2 三点曲げ
3.3 アイゾット衝撃試験
おわりに
第2節 RTM成形の現状と課題
1. RTM成形法
2. VaRTM成形法
3. RTM成形法の課題
4. RTM成形法による含浸・ボイドのシミュレーション予測技術
5. RTM成形法の樹脂含浸可視化・制御技術
第3節 CFRTPのホットスタンピング成形と射出成形
はじめに
1. 通電抵抗加熱金型によるCFRTPの成形
1.1 キャップのTAM成形法
1.2 通電抵抗加熱金型の原理
1.3 TAM成形システムの構成
2. TAM成形法によるCFRTP(熱可塑性CFRP)の成形方法
2.1 フィルムスタッキング法
2.2 UDテープの積層
2.3 その他の成形材料
3. TAM成形法によるCFRTP(熱可塑性CFRP)の成形手順
4. 長繊維射出成形
5. CFRP複合成形
6. TAM成形法のマグネシウム合金の塑性加工への応用
7. 浜松地域CFRP 事業化研究会の活動
おわりに
第4節 CFRTP中間材料の種類と製法
はじめに
1. 被覆タイプの中間材料
1.1 マイクロブレーデッドヤーン(MBY)
1.2 その他被覆タイプの中間材料技術
1.3 A-MBY(Advanced Micro Braided Yarn)
2. コミングルヤーン(混繊糸)
3. パウダー含浸ヤーン,ファブリック
4. シート状中間材料
4.1 シート状中間材料
第2章 CFRP/CFRTP加工法
第1節 CFRPの超音波・放電加工
はじめに
1. 超音波加工
2. 放電加工
2.1 放電加工の材料除去メカニズム
2.1.1 従来の説明
2.1.2 キャビテーション説
2.2 CFRPの放電加工
2.2.1 CFRPの放電加工メカニズム
2.2.2 CFRPの形彫り放電加工の現状と課題
2.2.3 CFRPのワイヤ放電加工の現状と課題
おわりに
第2節 CFRPのレーザ加工技術
はしがき
1. レーザ切断の種類と特性
2. CFRPのレーザ加工技術
2.1 ファイバーレーザによる加工
2.2 超短パルスレーザを用いたレーザアブレーション切断
2.2.1 ナノ秒パルスレーザによるCFRP加工
2.2.2 ピコ秒およびフェムト秒パルスレーザによる加工
3. CFRPのレーザ接合
3.1 CFRPのモザイク継手(突合せ継手)のレーザ加工
まとめ
第3節 CFRPの切削加工
はじめに
1. CFRP用切削工具と穴あけ加工の方法
1.1 CFRP用切削工具の材質と種類
1.1.1 穴あけ用工具
1.1.2 トリミング用工具
1.1.3 フェースミル用工具および特殊工具
1.2 穴あけ加工の方法
1.2.1 ドリルによる超音波ねじり振動援用穴あけ加工
1.2.2 エンドミルによるスパイラル穴あけ加工
2. CFRP穴あけ加工の切削機構,加工精度および工具寿命
2.1 切りくずの観察
2.2 穴あけ加工の切削機構と穴内面の観察
2.3 穴内面の窪みの生成機構
2.4 超音波ねじり振動の効果
2.5 φ6 mm のドリル加工とエンドミルによるスパイラル加工の比較
2.5.1 ドリル加工の被削材,使用工具および切削条件
2.5.2 エンドミルによるスパイラル穴あけ加工の被削材,使用工具および切削条件
2.5.3 穴内面の性状および真円度の比較
2.5.4 工具寿命の比較
2.5.5 穴径と加工穴数の関係
2.5.6 真円度と加工穴数の関係
2.5.7 超硬エンドミルの切れ刃摩耗量と加工穴数の関係
おわりに
第4節 CFRPのボールエンドミルによる穴あけ加工
はじめに
1. ドリルからエンドミルへの適用の流れ
2. CFRPの穴あけ加工
3. CFRP穴あけのためのヘリカル加工
おわりに
第5節 CFRP切削工具の長寿命化
はじめに
1. CFRP切削工具の摩耗
1.1 摩耗機構
1.2 CFRP切削に特有の工具摩耗
1.3 CFRP切削工具の寿命の考え方
2. CFRP切削時の工具摩耗と背分力増加
2.1 工具摩耗による背分力増加の繊維配向方向依存性
2.2 工具摩耗による背分力増加のメカニズム
3. 背分力を増加させない工具の設計と効果
3.1 工具逃げ面接触部の硬さ分布(摩耗速度分布)の付与
3.2 硬さ分布の付与による背分力抑制効果
おわりに
第3章 CFRP/CFRTP接合技術
第1節 CFRP/CFRTP接合技術
はじめに
1. CFRP/CFRTP接合技術の現状と種類
2. 機械的接合法
3. 接着接合法
4. CFRTPの融着(溶着)接合法
5. 接合技術の適用事例と今後の課題
第2節 CFRPと金属の機械的接合技術
はじめに
1. CFRP用のSPRによる板材の接合方法
2. SPR接合を用いたシングルラップ継手の力学特性
3. SPR接合の効果的な利用法
おわりに
第4章 CFRP/CFRTP向け樹脂・表面改質技術
第1節 CFRP用熱硬化性樹脂
はじめに
1. CFRP用熱硬化性樹脂CBZ(R)
1.1 CFRP用熱硬化性樹脂CBZ(R)の特徴と概要
1.2 CBZ(R)主要銘柄の機械物性比較
1.3 CBZ(R)の諸物性
2. CBZ(R)の各繊維への適用
2.1 12K─炭素繊維,ピッチ系炭素繊維への適用
2.2 他繊維への適用(ガラス繊維,アラミド繊維,ポリアリレート繊維,バサルト繊維)
3. 耐候性,耐水性
4. 用途及び成形例(VaRTM)
おわりに
第2節 PEEKポリマー(熱可塑性樹脂)を用いたカーボンコンポジット技術について
はじめに
1. 熱可塑性マトリックスを用いた中間材
2. ユニークな加工方法
3. 各産業におけるPEEKコンポジットの可能性,採用例
4. 今後の課題
第3節 ベンゾオキサジン樹脂のCFRPへの応用
はじめに
1. ベンゾオキサジン樹脂の硬化メカニズムと特徴
2. ベンゾオキサジンのCFRPへの応用(硬化物物性データの紹介と提案)
おわりに
第4節 過熱水蒸気を利用した炭素繊維の表面改質
はじめに
1. 過熱水蒸気を用いたCFRPからの炭素繊維の回収と,炭素繊維の表面改質
2. 過熱水蒸気処理を施した炭素繊維と樹脂との密着性
3. VaRTM法を用いた過熱水蒸気処理炭素繊維クロスからのCFRPの作製
おわりに
第5章 CFRPの非破壊検査技術
第1節 超音波によるCFRPの非破壊検査技術
はじめに
1. 検出対象となる欠陥の種類
1.1 欠陥の種類
1.2 製造時に発生し得る欠陥
1.3 供用中に発生し得る欠陥
1.4 適用すべき非破壊試験法の選定
2. 超音波の基礎
2.1 超音波とは
2.2 弾性波の種類と速度
2.2.1 縦波(P波,Primary wave)
2.2.2 横波(S波,Secondary wave)
2.2.3 その他の波
3. 超音波探傷試験
3.1 超音波の送信と受信
3.2 超音波の特徴と超音波探傷試験の原理
3.3 超音波探傷試験で用いる装置と器具
3.4 基本的な超音波探傷試験
3.4.1 垂直探傷法
3.4.2 斜角探傷法
4. その他の試験法
第2節 電磁現象を利用したCFRPの非破壊検査技術
はじめに
1. 渦電流探傷試験の基礎
1.1 電磁誘導と誘導電流
1.2 渦電流の表皮効果と浸透深さ
1.3 渦電流探傷プローブの種類
2. CFRPを対象とする渦電流探傷試験
2.1 CFRPに発生する渦電流
2.2 炭素繊維の配向検出
2.3 表面欠陥の検出
2.4 層間剥離
3. CFRPを対象とする渦電流探傷試験の数値解析
3.1 電気伝導率の異方性
3.2 CFRP上の渦電流解析
4. 渦電流探傷試験の事例と今後の展望
第3節 サーモグラフィによるCFRPの非破壊検査技術
1. 赤外線サーモグラフィを用いた非破壊検査
2. パルス・サーモグラフィ法によるCFRP積層板の検査
2.1 層間剥離検査
2.2 サンドイッチパネル検査
2.3 積層構成,繊維種類による欠陥検出への影響
3. 温度データ処理による検査の高精度化
3.1 Thermographic signal reconstruction
3.2 パルス・フェイズ・サーモグラフィ法
4. 加熱方法の工夫
4.1 長時間(ステップ)加熱,および周期加熱
4.2 超音波励起加熱
4.3 通電によるジュール加熱を利用した検査
まとめ
第6章 CFRPリサイクル技術
第1節 亜臨界・超臨界流体によるCFRPリサイクル技術の現状と課題
はじめに
1. 亜臨界・超臨界流体とは
2. 亜臨界・超臨界水によるCFRPのリサイクル
3. 亜臨界・超臨界アルコールを用いるCFRPのリサイクル
4. その他の亜臨界・超臨界流体を用いるCFRPのリサイクル
おわりに
第2節 ラジカルの伝播が演じる半導体の熱活性技術とCFRPのリサイクル
はじめに
1. TASC技術の概要
1.1 ポリマーの分解メカニズム
1.2 酸化物半導体と被分解対象物
2. FRPの完全分解とリサイクル
2.1 炭素繊維FRPの回収と回収繊維のキャラクタリゼーション
2.2 再生した炭素繊維を用いたFRPの強度
2.3 連続分解装置の試作機
3. FRPの部分修復
おわりに
補遺:TASC技術の概要
1. 半導体を使った強力な酸化システムの構築
2. 光励起から熱励起へ
3. ラジカル開裂による巨大分子の小分子化と完全燃焼
4. 分解反応が継続的に進行する条件