第5世代移動通信システム「5G」は、動き始めているIoT、自動運転、遠隔医療などの基幹技術であり、あらゆる産業を変革すると期待されている。単に世の中が便利になるだけではなく、各種業界・産業のデジタルトランスフォーメーションを促すと期待されている。
特に日本国内では、人口減少や少子高齢化を背景として、生産性の向上が喫緊の課題である。下に示すが、総務省では「Society5.0時代の地方」を見据えて種々取り組みをしているが、5Gが大前提である。
弊社では2018年に5Gに関する第一弾のマルチクライアント調査を実施し、多くの会社様からご賛同いただいた。3年前には材料開発は進めているがまだ動きがないと言っていた方がその調査、取材の中で「材料が足りないどこか紹介してくれ」と聞き、世の中の動きを肌で感じた。前回の調査では高周波基板を中心に行ったが、取材の中で基板以外にも多くの情報が得られた。昨年以降も基板関係は動いているが、今回はその周辺部材についても調査を進めた。
我々は直接部材を製造する立場ではないが、本レポートがそのような立場の方に参考になり、結果として社会貢献をできたならば幸いである。
(1章より)
第1章 はじめに
第2章 第5世代移動通信(5G)市場動向
2-1 市場概要と注目用途の最新動向
2-1-1 市場概要
2-1-2 注目用途の最新動向
2-2 前回調査の要点および本調査の注目点
第3章 5G関連部品の開発動向、材料に対する要求
3-1 基地局
3-1-1 基地局の構成
3-1-2 BBU、RRHの内部構造
3-1-3 基地局構成機器の変化
3-2 アンテナ
3-2-1 基地局アンテナ
3-2-2 屋内用基地局用アンテナ
3-2-3 移動端末器用アンテナ
3-3 半導体(高周波IC)
3-4 基板
3-4-1 基板構造概要と基本要求特性
3-4-2 リジッド基板
3-4-3 フレキシブル基板
3-5 実装技術
3-5-1 Antenna in Package
3-5-2 FOWLP、FOPLP(異種チップ搭載)
3-5-3 部品内蔵基板
3-5-4 RDL、封止材料
3-6 導波管
3-7 電気コネクタ、ケーブル
3-8 光トランシーバー
3-9 光ファイバー、光コネクタ
第4章 高周波対応低誘電、低誘電正接材料開発動向
4-1 プリント基板用樹脂材料の開発動向と技術課題
4-1-1 フッ素系
4-1-2 ポリフェニレンエーテル(PPE)系
4-1-3 炭化水素系(COC(P)系、ブタジエン系等)
4-1-4 液晶ポリマー
4-1-5 ポリイミド
4-1-6 その他
4-1-7 まとめ
4-2 周辺構成材料の開発動向と技術課題
4-2-1 (ガラス)クロス
4-2-2 フィラー類
4-2-3 接着剤(層)
第5章 注目要素技術の材料、プロセス開発動向
5-1 EMC、ノイズ対策技術
5-1-1 電磁波ノイズと対策概要
5-1-2 電磁波遮蔽(シールド)による対策
5-1-3 電磁波吸収による対策
5-1-4 人体に対する電磁波の影響について
5-2 熱対策
5-2-1 放熱グリース、シート、ベーパーチャンバー
5-2-2 シンタリングペースト
5-2-3 低誘電、高熱伝導基板材料
5-2-4 高密度実装対策
第6章 高速・大容量伝送市場規模
6-1 基地局投資計画
6-2 基地局関連
6-2-1 基地局(マクロセル)
6-2-2 基地局(スモールセル)
6-2-3 基地局向けアンテナ
6-2-4 RRH
6-2-5 BBU
6-2-6 光トランシーバー
6-2-7 光ファイバー
6-2-8 まとめ
6-3 実装基板関連
6-3-1 多層プリント配線板(除くビルドアップ)
6-3-2 多層プリント配線板(ビルドアップ)
6-3-3 サブストレート基板
6-3-4 フレキシブル基板
6-3-5 銅張積層板(CCL)
6-3-6 フレキシブル銅張積層板(FCCL)
6-3-7 リジッド基板用樹脂
6-3-8 フレキシブル基板用フィルム
6-3-9 ガラスクロス
6-3-10 まとめ
第7章 総括