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( Z253 )

パルスパワーの基礎と産業応用~環境浄化、殺菌、材料合成、医療、農業、食品、生体、エネルギー~

パルスパワーの基礎と産業応用~環境浄化、殺菌、材料合成、医療、農業、食品、生体、エネルギー~

発刊日
2019年08月12日
体裁
B5判 254頁
ISBN
978-4-86043-556-1
Cコード
C3042
価格(税込)
35,200
( STbook会員価格(税込)STbook会員価格
35,200 円)

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発行 : (株)エヌ・ティー・エス
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冊数:

著者リスト


監修
堀越 智  上智大学理工学部 准教授

執筆者(掲載順)
秋山 秀典 株式会社核融合技術開発センター 代表取締役社長/熊本大学名誉教授
江 偉華  長岡技術科学大学極限エネルギー密度工学研究センター 教授
徳地 明  株式会社パルスパワー技術研究所 代表取締役
門脇 一則 愛媛大学大学院理工学研究科 教授
吉田 昌弘 金属技研株式会社技術本部加速器応用部加速器応用課 課長
佐々木 満 熊本大学パルスパワー科学研究所/ 大学院先端科学研究部 准教授
末松 久幸 長岡技術科学大学大学院工学研究科 教授
鈴木 常生 長岡技術科学大学大学院工学研究科 准教授
菅島 健太 長岡技術科学大学大学院工学研究科
中山 忠親 長岡技術科学大学大学院工学研究科 教授
新原 晧一 長岡技術科学大学名誉教授
矢野 憲一 熊本大学パルスパワー科学研究所 教授
諸冨 桂子 熊本大学パルスパワー科学研究所
高木 浩一 岩手大学理工学部/ 次世代アグリイノベーション研究センター 教授/副センター長
猪原 哲  佐賀大学理工学部 准教授
大嶋 孝之 群馬大学大学院理工学府/ 食健康科学教育研究センター 教授
南谷 靖史 山形大学大学院理工学研究科 准教授
馬杉 正男 立命館大学理工学部 教授
齋藤 永宏 名古屋大学大学院工学研究科未来社会創造機構 教授/
      信州大学先鋭領域融合研究群環境・エネルギー材料研究所 教授
石崎 貴裕 芝浦工業大学工学部 教授
牟田 幸浩 名古屋大学大学院工学研究科
蔡 尚佑  名古屋大学大学院工学研究科
神原 信志 岐阜大学大学院工学研究科 教授
早川 幸男 岐阜大学大学院工学研究科 助教
豊川 弘之 国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標準総合センター 分析計測標準研究部門
      放射線イメージング計測研究グループ 研究グループ長
田上 公俊 大分大学理工学部 教授
森吉 泰生 千葉大学大学院工学研究科 教授
堀田 栄喜 東京工業大学名誉教授
明本 光生 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構加速器科学支援センター 特別教授
堀岡 一彦 東京工業大学名誉教授/ 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 協力研究員


趣旨


 読者の皆様は「パルスパワー」という言葉を聞いて何を想像されるであろうか? 本書の著者の一人である江先生の書物を参考にすると,パルスパワーとは電磁エネルギーの操作に関する学問であり,その歴史は,核融合の関連研究で萌芽期を迎え,高出力レーザーや高エネルギー粒子ビームの関連研究で成長期・成熟期を経過し,現在では材料や環境などの関連研究で進化期を迎えようとしている。基礎を確立した現在,パルスパワー技術は利用分野の普及と浸透のステージにあると考えられる。この技術は,大エネルギーを極短時間でパルス的に印加することから,熱が発生する前に仕事を完結することができる。ごく短時間で電磁エネルギーの臨界場を作り出すことができるため,たとえばエクセルギーの高い電磁波を,エクセルギーの低い熱に変換される前に利用できる。このような高度なエネルギーの利用法は他にはなく,アイディア次第では革新的なプロセス利用を構築できる。一例として,この技術をプラズマに利用した分野では,環境保全,殺菌,乾燥,モノづくり,医療,生物,エネルギー獲得への応用がすでに報告されている。
 本書では,この画期的な高度エネルギー利用プロセスを,さらにさまざまな産業界へ浸透させたいと考え,ユーザー目線でその入門書を担うべく発刊に至った。各章の構成はパルスパワーの基礎に加え,環境浄化,殺菌,材料合成,医療,農業,食品,生体,エネルギー,工学などを取り上げた。また,パルスパワーの専門家である各著者の皆様には,パルスパワーの存在を知らない読者に対しても,その魅力を認識していただくため,方程式を極力使わないようにしていただき,内容をイメージしやすいように図解を中心に解説していただいた。さらに,専門用語も極力使わないようにお願いした。専門とは異なる章だとしても,一通り読んでいただき,新しい研究や新事業のヒントに役立ててもらえることを願っている。

 最後に,パルスパワーの初心者である筆者の呼びかけに,快く応じていただき,短時間で文章を書きあげていただいた全筆者へ謝意を表す。さらに,(株)エヌ・ティー・エスの吉田隆代表取締役,平野英樹様にはご激励をいただき,やっと出版までたどり着きましたことに感謝する。

令和元(2019)年 夏
上智大学  堀越 智


目次


発刊にあたって《堀越 智》

第1章 パルスパワーの基礎
第1節 パルスパワーとは《秋山 秀典》
1.はじめに
2.パルスパワーの特徴とその利用
3.おわりに
第2節 パルスパワーの考え方《江 偉華》
1.パルスパワーの発生
2.回路的な考え方
3.電磁的な考え方
4.まとめ
第3節 半導体パルスパワー電源《徳地 明》
1.はじめに
2.シリコンカーバイド(SiC)の特徴
3.開発が進む高電圧SiCデバイス(>10kV)
4.高電圧パルス発生回路と適用例
5.高電圧パルス発生回路の将来展望

第2章 パルスパワーの応用
第1節 水中.水上および霧中でのパルス放電応用《門脇 一則》
1.はじめに
2.水中放電
3.水上沿面放電
4.霧中放電
第2節 電子線滅菌《吉田 昌弘》
1.はじめに
2.電子線滅菌
3.電子線滅菌の現状
4.まとめ
第3節 パルスエネルギーを利用した高分子合成《佐々木 満》
1.パルスエネルギーとは
2.パルス放電時の活性種の発生および計測
3.パルス放電を利用した高分子合成
4.おわりに
第4節 超微粒子《末松 久幸,鈴木 常生,菅島 健太,中山 忠親,新原 晧一》
1.パルスパワー技術の新材料応用の困難さ
2.超微粒子とは
3.超微粒子作製法
4.パルス細線放電(PWD:pulsed wire discharge)法
5.有機物被覆超微粒子
6.ガス中PWD法による有機物被覆超微粒子の作製例
7.液中PWD法による炭化物超微粒子の作製例
8.量産用PWD装置開発とPWDによる粒子作製
9.まとめ
第5節 パルス高電界の医療応用《矢野 憲一,諸冨 桂子》
1.はじめに
2.パルス高電界の医療応用
3.マイクロ秒パルス高電界を利用した細胞や人体へのDNA導入
4.マイクロ秒パルス高電界を利用した癌療法
5.ナノ秒パルス高電界による癌治療
6.癌治療以外のパルス高電界の医療応用
第6節 ポストハーベスト段階での利用《高木 浩一》
1.はじめに
2.農業分野への高電圧.パルスパワー利用の概要
3.農産物の鮮度.品質の維持への高電界.パルスパワー.プラズマの利用
4.高電場を用いた水産物の鮮度維持
5.パルス高電場による成分抽出
6.おわりに
第7節 農業における発芽,生育促進.制御などへの利用《猪原 哲》
1.はじめに
2.担子菌への応用,種子の発芽,成長促進.制御への応用
3.休眠打破の応用
4.まとめ
第8節 食 品《大嶋 孝之》
1.はじめに
2.液状食品の非加熱殺菌
3.ファージ(ウイルス)の不活化
4.線虫防除への取り組み
5.食品排水のプラズマ処理
6.おわりに
第9節 パルスパワーによる成分抽出および浸透制御《南谷 靖史》
1.はじめに
2.パルスパワーによる成分抽出制御
3.パルスパワーを用いた穀物浸水性制御
4.まとめ
第10節 電磁エネルギーの定量化手法《馬杉 正男》
1.はじめに
2.生体試料に印加される電磁エネルギーの定量化
3.実験評価例
4.まとめ
第11節 溶液中プラズマへの応用《齋藤 永宏,石崎 貴裕,牟田 幸浩,蔡 尚佑》
1.はじめに
2.ソリューションプラズマの反応
3.ソリューションプラズマによるカーボン材料の合成
4.おわりに
第12節 パルスパワーと水素分離膜《神原 信志,早川 幸男》
1.はじめに
2.パルスプラズマの装置構成
3.プラズマ場での化学反応
4.プラズマ利用の水素製造
5.プラズマメンブレンリアクター
6.プラズマメンブレンリアクターの産業応用
第13節 非破壊検査用小型電子加速器《豊川 弘之》
1.小型電子加速器
2.パルスパワーの応用例
3.小型電子加速器の構成
第14節 内燃機関の点火と燃焼促進《田上 公俊,森吉 泰生,堀田 栄喜》
1.緒 言
2.非平衡プラズマ点火の利点
3.非平衡プラズマ点火の特徴
4.非平衡プラズマ点火装置のエンジンへの適用例
5.マイクロ波によるエンジン燃焼の改善
6.マイクロレーザによるエンジン点火
7.結 言
第15節 高エネルギー加速器《明本 光生》
1.はじめに
2.短パルス用クライストロン電源
3.長パルス用クライストロン電源
4.最近のクライストロン電源
第16節 核融合.高エネルギー密度科学《堀岡 一彦》
1.はじめに
2.高エネルギー密度状態とは
3.核融合
4.高エネルギー密度科学