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材料・測定・分析・合成
( S007 )

晶析の強化書【増補新版】~有機合成者でもわかる晶析操作と結晶品質の最適化~

晶析の強化書【増補新版】~有機合成者でもわかる晶析操作と結晶品質の最適化~

発刊日
2020年01月10日
体裁
A5 147頁
ISBN
978-4-907002-80-0
Cコード
3058
価格(税込)
4,620
( STbook会員価格(税込)STbook会員価格
4,389 円)

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冊数:
PDFパンフレット(晶析の強化書【増補新版】~有機合成者でもわかる晶析操作と結晶品質の最適化~「S007」)

著者リスト


滝山 博志  東京農工大学 大学院工学研究院 教授

趣旨


 「晶析」操作とは,結晶化現象を利用した化学プロセス操作の一つである。身近な結晶性物質としては,砂糖,塩,アミノ酸などの食品や,融雪剤に利用される塩類などが挙げられる。また,医薬品の多くも結晶性物質である。結晶は比較的簡単に析出させることはできるが,品質まで制御しようとすると析出方法に工夫が必要となる。工夫をするためには,晶析装置内の現象を理解しておく必要がある。
 有機合成の分野では,工程の最後に塩析や再沈と称して目的物質を結晶として分離させることが多いと思うが,その場合,操作の少しの違いが結晶品質に大きく影響してしまう。ラボ実験で結晶を上手く析出できたからといって,実プロセスで結晶化が問題にならないとは限らない。晶析操作は理解が難しいと思われがちであるが,本書では結晶化の推進力に視点を当てながら,結晶品質を作り込むための晶析操作についてやさしく解説したい。特に結晶化の推進力である過飽和の概念や,過飽和操作について詳しく説明を加えた。
 増補新版については,晶析の現場で問題となることが多い,結晶多形析出の制御に加え,結晶粒子群の連続フロー製造や,新たな結晶性材料としての共結晶の製造法について新たな章で解説を加えた。
 有機合成を専門に研究し,これから晶析を始めようとする企業研究者,普段から結晶粒子群品質の改良や晶析操作の改善を考えている技術者や研究者,そして結晶化現象を大学で研究している学生にとって本書が晶析操作を理解する一助となることを願っている。(「はしがき」より抜粋)

目次


はしがき

第1章 晶析操作の目的とその応用
 1.1 晶析操作の目的
 1.2 固体材料創製,医薬品製造と晶析操作との接点
 1.3 スケールアップと晶析現象との接点

第2章 結晶化現象の解析と速度論 -結晶化現象と操作との接点-
 2.1 固液平衡と結晶化推進力
   発展 2-1 x-y 線図
   Tips! 2-1 ハンダと融雪剤
  2.1.1 固液平衡と溶解度
   発展 2-2 てこの原理
  2.1.2 溶解度曲線と速度論
  2.1.3 過飽和度の変化
  2.1.4 固液平衡の分類
  2.1.5 溶解度の整理法
   発展 2-3 固液平衡と活量係数式
  2.1.6 溶解度の測定法
  2.1.7 DSC による固液平衡の推算
   発展 2-4 固溶体系の場合の固相平均組成
  2.1.8 DSC による溶解度の推算
 2.2 核発生速度の解析と速度論
   Tips! 2-2 コップの表面に付く水滴の大きさ
 2.3 成長速度の解析と速度論
   Tips! 2-3 結晶成長過程とオームの法則
 2.4 粒径分布と個数密度
  2.4.1 個数密度(母集団密度)
  2.4.2 母集団密度関数の取り扱い
   Tips! 2-4 結晶の流動
   発展 2-5 MSMPR 理論式の展開
 2.5 結晶純度
  2.5.1 母液の付着
  2.5.2 母液の取り込み
   Tips! 2-5 食塩とにがり
  2.5.3 純度低下のその他の要因
 演習問題

第3章  結晶化現象の解析とその制御法
 3.1 結晶多形現象(Polymorphism)
  3.1.1 結晶多形に及ぼす晶析操作因子
   Tips! 3-1 身近な結晶多形
  3.1.2 結晶多形の熱力学的性質
   Tips! 3-2 結晶化と自由エネルギー
   発展 3-1 エネルギー線図とDSC 曲線
   Tips! 3-3 安定と準安定
  3.1.3 結晶多形制御の戦略
 3.2 結晶の形態変化(Morphology)
  3.2.1 結晶形態に及ぼす晶析操作因子
  3.2.2 結晶形態制御の戦略
 3.3 結晶粒子群の粒径分布
  3.3.1 粒径分布に及ぼす晶析操作因子
  3.3.2 粒径分布の数値的取り扱い
  3.3.3 MSMPR 型晶析装置の定常特性
  3.3.4 粒径分布のモーメントによる解析
  3.3.5 結晶の凝集現象
 3.4 X 線回折分析
  3.4.1 X 線回折分析の原理
  3.4.2 X 線回折データ
   Tips! 3-4 X 線回折データと結晶形態
 演習問題

第4章 晶析装置での操作設計
 4.1 晶析プロセスの特徴
 4.2 晶析操作の基本戦略
  4.2.1 種結晶スペックの設計
  4.2.2 冷却温度プログラム設計
  4.2.3 非溶媒添加法での操作戦略
  (1)非溶媒添加晶析の特徴
  (2)非溶媒添加晶析の原理
  (3)非溶媒添加晶析の操作
  (4)攪拌や非溶媒添加位置の影響
   発展 4-1 三成分相図
   Tips! 4-1 オイルアウト現象
 4.3 過飽和制御方針
   Tips! 4-2 結晶多形析出と冷却速度
 演習問題

第5章 オンラインセンサー利用技術
 5.1 濁度計
 5.2 粒度分布モニタリングセンサー
 5.3 ATR-FTIR
 5.4 ラマン分光器,その他測定

第6章 結晶粒子群の連続フロー製造
 6.1 連続フローの考え方
 6.2 連続フロー晶析による結晶粒子群製造
 6.3 連続フロー晶析での生産性向上

第7章 多成分結晶(共結晶)粒子群製造
 7.1 共結晶の晶析現象
 7.2 共結晶析出と相図
 7.3 非溶媒(Anit-Solvent)添加晶析を併用した共結晶生成
   Tips! 7-1 操作点の移動で考える結晶多形析出の制御

まとめ

演習問題詳解