
e-Axle(イーアクスル)が電動車の基幹部品であり、高機能樹脂の有望なターゲットであることに疑いの余地は無い。
我々は、樹脂マンのためのe-Axle資料集を作りたかった。
樹脂合成、樹脂、モーターに関する説明は最小限にとどめ、その代わりに樹脂視点の充実を図った。コンパウンド、樹脂成形加工、それらの流通に携わる技術者、ビジネスマンを対象に、現在、e-Axleにどのような樹脂が使用されているか、今後どうなるのかを、わかりやすくお伝えすることを第一とした。
だから、e-Axle、インバータ、モーターに関する説明は最小限にとどめ、その代わりに樹脂視点の充実を図った。
思い起こせば、著者にとっては以前から書きたいテーマであった。
4年前から調査を始め、社外主催の講演を3回、KTR主催の講演を1回重ねる中で、樹脂ビジネスのターゲットとしてe-Axleを見つめる熱い熱意を感じ取った。それが、本資料集編集の原動力になったと思っている。
この資料集は、忙しい方、e-Axleが専門ではない方にこそ、お届けしたいと思った。だから、「わかりやすく」を第一とした。
加えて、ぜひ社内共通で活用していただきたい。従って、取材で集めた情報は既に文字で発表されていないかチェックし、されているのを見つけた場合は引用先を明記した。もっと詳しく勉強したい方が引用先を参照できるように工夫した。

はじめに
まとめ
第1章 e-Axle と高機能樹脂
1)e-Axle とは
2)e-Axle 化することのメリット
3)e-Axle 化がもたらす自動車設計上のメリット
4)e-Axle の主要プレイヤー
5)e-Axle 化の樹脂への影響
(1)樹脂へのニーズ(動向)
(2)消えた樹脂部品と現れた樹脂部品
6)X in 1 と樹脂
(1)2 in 1(4 代目プリウス、3 代目ノート)
(2)4 in 1(シェフラー)
(3)5 in 1(日産e-POWER)
(4)6 in 1(ヴァレオ)
(5)7 in 1(ニデック)
(6)8 in 1(BYD)
7)e-Axle の技術動向
(1)小型化
(2)低背化
(3)高電圧化(直流)
(4)高電圧化(交流)
(5)半導体の高効率化(SiC 化)■
(6)モーターの高回転数化
(7)インホイールモーター
8)e-Axle マイルストーン
(1)テスラ・モデル3
(2)トヨタ・アクア
(3)ポルシェ・タイカン
(4)日産・アリア
第2章 インバータの変化と樹脂
1)xEV インバータとは
1)xEV 用インバータ(PCU)の位置づけ
2)xEV インバータと使用樹脂
(1)半導体モジュールのモールド型とケース型
(2)両面冷却半導体モジュール(パワーカード他)
(3)ケース型半導体モジュールの封止材(シリコーン、エポキシ)
(4)放熱・絶縁シート(エポキシ)
(5)インバータウォータージャケット(PPS)
(6)油冷チューブ(PPA)
3)コンデンサと使用樹脂
(1)xEV インバータ用コンデンサ(パナソニック、ニチコン)
(2)これまでのコンデンサ用フィルム(東レ、王子エフテックス)
(3)これからのコンデンサ用フィルム(東レ、SABIC)
(4)コンデンサ筐体(PPS)
4)インバータ用バスバー
5)SiC 化の効果
第3章 モーターの変化と樹脂
1)主機モーターに使用する樹脂(主要部材)
2)モーターの種類
(1)モーターの種類
(2)なぜxEV で同期モーターを使うか
(3)同期モーターの中でもIPMSynRM
(4)IPMSynRM 使用の具体的事例
(5)マグネットワイヤ(巻線)がヘヤピン巻に
3)マグネットワイヤの絶縁被覆用樹脂
(1)マグネットワイヤとは
(2)xEV 主機モーターのマグネットワイヤサプライヤー
(3)平角線ヘアピン巻のマグネットワイヤ(エナメル+PEEK)
(4)平角線ヘアピン巻のマグネットワイヤ(PEEK)
(5)平角線ヘアピン巻のマグネットワイヤ(フッ素樹脂)
(6)海外のモーター例
4)モーターの冷却
(1)空冷
(2)水冷(液冷)
(3)油冷と、油冷に使用される樹脂
(4)巻線絶縁被覆材
(5)巻線機メーカー
(6)絶縁被覆の二次加工
5)相間絶縁紙
(1)従来の相間絶縁紙と課題
(2)新しい相間絶縁紙
6)スロットライナー
(1)従来のスロットライナーと課題
(2)新しいスロットライナー(PEEK、LCP、PEI、フッ素樹脂)
7)封止材
8)バスバーの絶縁被膜
9)バスバーの接続コネクタ(PPS)
10)シール
11)モーターの油冷関連部品
(1)コイルエンドバッフル(ポリエステルエラストマー)
(2)ステーターオイルガイドリング(PPA、PPS)
(3)油冷チューブ(PPA)
12)モーターのロータースリーブ(CFRP)
第4章 ギヤの樹脂化へのチャレンジ
1)樹脂化のニーズ
2)(参考)バランスシャフトギヤ
(1)レゾナック(アミノフェノール)
(2)日本ガスケット(フェノール)
(3)エボニック(PEEK)
3)(参考)ステアリング用ギヤ(PA410、PA66)
4)プラネタリキャリア(PPS)
第5章 その他のe-Axle 用樹脂部品
第6章 各社のe-Axle 化動向
1)BluE Nexus
2)日産自動車
3)Astemo
4)ニデック
5)ジヤトコ
6)IJTT
7)明電舎
8)三菱電機
9)ユニバンス
10)TOP
11)住友ベークライト
第7章 樹脂の長期耐熱性
1)なぜxEV で長期耐熱性を重視するか?
2)樹脂の長期耐熱性は必ずしも短期耐熱性と一致しない
3)長期耐熱性の評価尺度
(1)樹脂として
(2)電気絶縁物として
(3)半導体として
第8章 樹脂の絶縁性
1)長期耐熱性
2)耐トラッキング性
3)耐部分放電、耐コロナ放電
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