
蓄電池に関しては、5年前にマルチクライアント調査レポートを刊行している(「次世代電池の本命予想と材料ニーズ」。)
当時もLIBの電解質を固体化(全固体電解質)することによる革新的な研究発表があり、その動向が大変注目されていた。ただ、全固体電池の技術的ハードルは高く、本格的な実用化には時間がかかると見られていた。しかし、本命的な用途と期待されている車載用途(BEV)はともかく、小型の情報端末的な用途では全固体電池は着実に採用が拡大している。特に日本のメーカーがこの点でリードしていることが実に心強いといえる。
問題は、需要サイズが桁違いに大きい自動車用途の全固体電池に関する冷静な(現実的)見方である。この点にフォーカスしたのが本資料集の眼目になる。
さて、本資料集の主要(中枢)部分は、第1部の特許解析から見えて来る研究開発動向に求められる。特にトヨタの全固体電池に関する特許網の分析に関しては、独自のこだわりを感じていただけたらとの想いがある。また、全固体の開発に注力しているほかのクルマメーカーや主要部材メーカー、電子部品メーカーの夫々の研究開発状況にも留意したつもりである。
そして今回第2部に、全固体電池と燃料電池のハイブリッド化による長距離走行技術及び高容量リチウム硫黄電池の全固体化動向を追加することにより、全固体電池に関する資料集の完結編とした。
※資料集の構成
第1部 : リチウムイオン固体電解質がBEV用電池を革新するか 245頁
第2部 : 燃料電池とのハイブリッド化による長距離走行技術
高容量リチウム硫黄電池の全固体化 40頁
補足編①: ドライプロセスに関する特別寄稿 18頁
補足編②: 正極材の革新(LFPからLMFPへの進化 17頁
※注:本資料集は、2023年5月10日発行「全固体電池のポテンシャルと競合技術に関する将来展望 ~リチウムイオン固体電解質がBEV用電池を革新する~」の第1部に、新たな情報として第2部を加えたものです。

第1部 特許解析から見える研究開発動向
はじめに
1.全固体電池の概要
1-1 リチウムイオン固体電解質を用いた全固体電池とは
1-2 リチウムイオン電池の卓越した特性
1-3 全固体電池のプレイヤーと特許情報まとめ
1-4 全固体電池/全樹脂電池/液系(現行)リチウムイオン電池の構成材料/特性比較
2.トヨタ自動車の全固体電池
2-1 トヨタ自動車のEV用電池戦略
2-2 トヨタ自動車の全固体電池の特許動向と技術概要
2-3 固体電解質材料
2-4 正極材料
2-5 負極材料
2-6 バインダー・導電助剤
2-7 電池構造(モノポーラ電極とバイポーラ電極)
2-8 スラリー
2-9 製造方法
2-10 集電体
2-11 タブ
2-12 外装部材
2-13 安全装置
2-14 評価・検知
2-15 制御装置/方法
2-16 実用化への課題と解決の方向性
3.全固体電池メーカー/材料メーカーの技術
3-1 富士フィルム
3-2 パナソニック
3-3 日産自動車
3-4 本田技研工業
3-5 出光興産
3-6 FDK
3-7 TDK
3-8 村田製作所
3-9 各社の構成材料比較
4.三洋化成/APB社の全樹脂電池
4-1 全樹脂電池の概要
4-2 全樹脂電池の詳細
5.液系(現行)リチウムイオン電池の製造方法革新/ドライ電極
5-1 液系リチウムイオン電池の製造方法課題
5-2 マックスウェル社のドライ電極・乾燥自立型電極フィルム
5-3 24エム・テクノロジーズ社のドライ電極・半固体電極
5-4 ドライ電極技術の可能性と全固体電池への適用
6.全固体電池の将来市場と可能性のまとめ
6-1 全固体電池の市場展開の可能性
6-2 全固体電池主要材料
6-3 全固体電池周辺材料
第2部
1.全固体電池と燃料電池のハイブリッド化による長距離走行技術
1-1 モビリティの電動化と次世代技術の展望
1-2 電動車(電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車)の比較
1-3 全固体電池とのハイブリッド技術
1-4 燃料電池と全固体電池のハイブリッド自動車
1-5 ハイブリッド電動化技術の社会実装と展望
2.高容量リチウム硫黄電池の全固体化
2-1 高容量リチウム硫黄電池の位置づけと動向
2-2 リチウム硫黄電池の最新動向と課題解決のための新材料
2-3 リチウム硫黄電池の全固体化(全固体電池)への可能性