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先端技術・ヘルスケア
( A008 )

金属微細配線におけるマイグレーションのメカニズムと対策

金属微細配線におけるマイグレーションのメカニズムと対策

【監修】
関西大学 教授 新宮原正三

発刊日
2006年12月25日
体裁
B5判並製本 206頁
ISBN
4-903413-15-2
Cコード
3058
価格(税込)
60,500
( STbook会員価格(税込)STbook会員価格
57,409 円)

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冊数:

著者リスト

■新宮原正三   関西大学
■中村友二    (株)富士通研究所
■鈴木貴志    (株)富士通研究所
■二川  清    NECエレクトロニクス(株)
■北村隆行    京都大学
■小池淳一    東北大学
■関口貴子    東北大学
■河崎尚夫    Freescale Semiconductor
■横川慎二    NECエレクトロニクス(株)
■上野和良    芝浦工業大学
■笹川和彦    弘前大学
■宮崎博史    (株)ルネサステクノロジ
■King Ning Tu  UCLA
■Annie T. Huang UCLA
■Fanyi Ouyang  UCLA

趣旨

 2000 年代初頭に入ってCu 配線の実用化を真剣に検討したときに,ストレスマイグレーションが深刻な問題となることを予想できた人は非常に少なかったのではないだろうか?
 一方,原子マイグレーションに関連する微細配線の信頼性は,ますます厳しくなるだろう。21 世紀中期以降もLSI が様々な産業に用いられることはほぼ間違いなく,微細金属配線のマイグレーション信頼性は永遠の技術課題として残っていく可能性が高い。
 このような技術段階にあることを認識すると,配線信頼性に関連する日本の技術者が,基礎知識を得た上で共通の下地を持って互いに議論するための,きちんとしたテキストの存在が重要と思われる。外国語のレビュー論文や関連テキストは多数あるが,日本語で配線における原子マイグレーションがきちんと述べられた本は殆どなかった。そこで,本書はそのようなお役に少しでも立てることを意識して,発刊されるものである。初学者や非専門の方々でも無理なく読めるように,前半にはマイグレーション問題の理解に必要な拡散現象や応力に関する基礎事項の解説が含まれている。また,最先端の技術者にも有益な情報をもたらすべく,ストレスマイグレーションやエレクトロマイグレーションに関しては,複数の切り口から当該分野の専門家による解説を集成した。(発刊の言葉/新宮原正三より抜粋)

目次


第1章 LSI微細金属配線における信頼性問題の概説
 1. LSI配線構造の推移と信頼性問題 
 2. 現在のCu多層配線構造とロードマップ

第2章 金属薄膜における拡散現象
 1. Fickの拡散方程式
 2. 拡散のミクロな機構
 3. 結晶粒界と転位
 4. 拡散経路と活性化エネルギー

第3章 応力と塑性変形
 1. 応力とひずみ
 2. 応力とひずみの関係式  
 3. 弾性変形と塑性変形
 4. 塑性変形の機構

第4章 薄膜・配線の応力と緩和現象
 1. 応力測定方法
  1.1 ウエハー反り計測による応力測定法
   1.1.1 基本式の導出
   1.1.2 薄膜積層の効果
   1.1.3 カバレッジの効果
   1.1.4 ウエハー反り測定装置
  1.2 X線応力測定法
   1.2.1 X線回折
   1.2.2 sin2ψ法による3軸応力の算出
   1.2.3 配線の応力測定への適用
 2. 薄膜の応力と緩和現象
  2.1 Cu薄膜の応力測定と温度依存性
  2.2 薄膜の応力緩和現象
 3. 配線の応力と緩和現象
  3.1 Al配線の応力と緩和現象
  3.2 Cu配線の応力と緩和現象

第5章 エレクトロマイグレーションの基礎
 1. エレクトロマイグレーションの基礎概念と寿命評価における課題
 2. エレクトロマイグレーションによるAl配線信頼性不良現象の例
 3. 配線寿命分布の統計と寿命予測式
 4. Al合金配線及びCu配線のエレクトロマイグレーション信頼性比較

第6章 ストレスマイグレーションの基礎
 1. ストレスマイグレーションによる配線信頼性不良の特徴
 2. 微細配線の応力状態
 3. ストレスマイグレーションの機構
 4. ストレスマイグレーションへの対策

第7章 配線不良部位の評価・解析技術
 1. OBIRCH手法の基本原理:電流経路と欠陥位置の可視化
 2. OBIRCH手法の発展系
  2.1 IR-OBIRCH
  2.2 NF-OBIRCH
  2.3 LSIテスターリンク
  2.4 RIL/SDL
 3. 将来のさらなる微細化への対応

第8章 界面密着性評価と微細配線信頼性
 1. 界面強度の考え方
 2. 従来の密着性試験法
 3. 破壊力学に基づく界面における亀裂に対する強度評価法
  3.1 界面亀裂先端近傍の応力場と界面破壊靱性
  3.2 破壊靱性試験
  3.3 界面破壊靱性による密着性評価の物理的意味
  3.4 緩やかな亀裂の進展
 4. 界面亀裂の発生強度評価
  4.1 界面端からの亀裂発生   
  4.2 界面端の応力場    
  4.3 界面端からの亀裂発生試験

第9章 ストレスマイグレーションによる微細配線のボイド形成
 1. ビア下部およびビア内部のボイド形成
 2. 平面膜における配向性とボイド形成傾向
 3. 微細組織・配向性とボイド形成傾向の関係
 4. 絶縁層の種類の影響

第10章 ビア構造におけるエレクトロマイグレーション 
 1. テスト構造
  1.1 EM現象の基礎
  1.2 リザバー効果
  1.3 応力勾配による質量逆流
 2. 新しいテスト構造を使ったEMドリフト速度の測定
 3. EM故障時間モデル
  3.1 Al-Cu配線のEM故障時間モデル
  3.2 Cu-Al配線のEM故障時間モデル
 4. 今後の課題

第11章 バリアメタルキャップ銅配線のマイグレーション耐性
 1. 無電解メタルキャップの構造とプロセス
 2. メタルキャップ銅配線のマイグレーション耐性
  2.1 EM改善およびそのメカニズム
  2.2 SIVおよび構造依存性
 3. 今後の課題と展望

第12章 エレクトロマイグレーションの損傷予測モデリング
 1. エレクトロマイグレーション損傷モデル化の試み
 2. 原子流束発散に基づく損傷予測への統一的アプローチ
 3. AFDに基づいた信頼性評価法の開発
  3.1 AFDの一般表現
  3.2 電流入出力パッドに接続された多結晶配線
   3.2.1 電流入出力パッドに接続された多結晶配線のAFD
   3.2.2 パッドに接続された多結晶配線の寿命予測
   3.2.3 パッドに接続された多結晶配線への予測法の適用と有効性の検証
  3.3 ビア接続された多結晶配線
   3.3.1 多結晶配線端部のAFD
   3.3.2 ビア接続された多結晶配線のしきい電流密度の評価
  3.4 ビア接続されたバンブー配線
   3.4.1 バンブー配線のAFD
   3.4.2 ビア接続されたバンブー配線のしきい電流密度の評価
 4. 信頼性評価法のまとめ

第13章 多層銅配線におけるストレスマイグレーション
 1. ストレスマイグレーション問題の顕在化
 2. 多層銅配線プロセス
 3. SIVの評価温度依存性
 4. SIVの配線幅依存性
 5. SIVのパターン形状依存性
 6. 電解めっき膜の膜質とSIV
 7. 層間膜のLow-k化とSIV
 8. ボイド核生成
 9. SIV改善プロセス

第14章 ハンダ接合技術におけるマイグレーション現象
 1. フリップチップ・ハンダ接合における特異的なエレクトロマイグレーションの挙動
  1.1 エレクトロマイグレーション臨界積
  1.2 フリップチップ・ハンダ接合部での電流集中現象
  1.3 陰極側コンタクト部分におけるパンケーキ型ボイドによる不良モード
 2. フリップチップ・複合ハンダ接合におけるEMによる相のマイグレーション現象